子どもの満足と母親の不便

新幹線に乗って、娘と2人でお弁当を食べていたときのこと。

 

 

私は幕の内弁当のような、いろいろおかずが入ったお弁当

娘は本人の熱烈な要望により、柿の葉寿司

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柿の葉寿司にはおかずがない

娘はそれも十分わかった上でリクエストしたのだけど、 どうも私のお弁当のおかずが気になるらしい

 

見かねて

「これ食べる?」

と、いんげんの胡麻和えを見せると、

「うん!」

と、嬉しそうに食べている

 

 

で、また私のお弁当をチラチラ見てる

 

きんぴらごぼうを見せて

「食べる?」

と聞くと、

「うん!」

と。

 

 

結局、いんげんの胡麻和えときんぴらごぼうは全部 娘のお腹に入っていった

 

 

 

こんな場面はよくある

 

 

娘が食べるだろうと思っていたものは食べず、

私が食べようと思っていたものは食べられてしまう

 

 

 

そんなに食べないだろうから、親子丼を半分くらい分けてあげて、あとは好きな山椒をかけて食べよう!

 

と思っていても、思いの外食べられてしまって私の分がない…

もう一つ親子丼を頼むのは多い…

残った親子丼をよく噛んで食べるか?

つるりと入る麺にしようか?

 

と考えて麺にしたりすると、

「それ食べる!」

と言われてさらに半分こ…

 

あぁ。。。。。

 

 

とか、よくある

 

 

外食で、唐揚げとか枝豆とかだし巻きとか、お昼でも頼めるお店は本当にありがたい

 

だって、おやつをあげてる・あげてないに関わらず、その日 その時によって子どもが食べる量ってバラバラだから。

 

 

 

「食べる」と見越して、定食のご飯を大盛りにしたところが意外に食べずに、お漬物でご飯を食べた

というお母さんも少なくないと思う

 

 

 

そんなことを考えながら、いんげんの胡麻和えときんぴらごぼうがなくなったお弁当を食べていたとき、

 

あぁ、私もこうやって本当はお母さんが食べたかったものを横から奪ってたのかもしれないなぁ…

と思った

 

 

私は三人姉弟

 

外食したとき、3人分のご飯はどんな注文の仕方をしてたんだろう?

 

お漬物でご飯を食べて空腹を凌いだこともあっただろうな…

 

お腹いっぱいでも、子どもたちが残したものを「もったいない、もったいない」と、がんばって食べてたんだろうな…

 

うどんだって、お蕎麦だって、七味や一味をかけて熱々のうちに丸々一杯分 食べたかっただろうに…

 

美味しいカレーのお店にも行きたかっただろうに…

 

 

などと、実母と自分が重なった。

 

 

 

今の私の想いを、今の娘に力説してもわからない

 

 

そんなことをするつもりもない

 

 

 

そして、きっと母も同じように、自分がちょっとずつ辛抱していることや、感じている不便さを幼き私に説明するなんて頭にもよぎらなかっただろうと思う

 

 

 

我が子が美味しそうに食べている姿を見ているだけで

「他にもこの子が食べたいものはないかな?」

と、自分の前に置かれた定食やお弁当を眺めていたのかもしれない

 

 

 

そういう意味でも

『女性は無意識のまま自分を押し殺し、欲を押し込めて、我慢しながら生きやすい』

という側面を見て、最近では

『自分を大切に!』

と発信する人が非常に増えた気がするのだけど、

 

 

それはそれでものすごくわかるのだけど、

 

事実として、子どもが美味しそうに食べてる姿はいつ見ても嬉しい

 

いつでも、いつまでも見ていたい

 

 

 

子どもが自らのチカラで自分の命をつくろうと必死になっている姿は本当に微笑ましいし、たくましさも感じるし、勇気をもらえるのだ

 

 

 

私は、お箸の練習をしているくらいの頃、何度やっても左手に持っていたらしく、どうしても右手に持たせようとしていた母は、それを見つけたらすぐに右手に持ち替えさせていたと言う

 

そして、一口食べては走り回っていた私を捕まえて座らせ、座ったかと思ったらまた左手にお箸を持ち、右手に持ち替えさせて食べたと思ったら走り回って座らせ…

というのが毎日毎食続いたらしく、今でも

「あんたは本当に大変やった…」

と言われる(^_^;)

 

 

そんな私が18歳の時、母と初めて2人で大阪という都会に来て、初めて入ったコンビニで、ホテルで食べるためのご飯を調達したとき、ポテトサラダを食べるためのフォークが一本しか入っておらず、母はそのたった一本のフォークを私に譲り、自分は、サラダにかぶせてあったフタでサラダをすくって、大きな口を開けて無理やり食べていた

 

 

そのとき私は

「母親という立場の人は、我が子のためにここまでするのか!」

と驚き反面、泣きそうになったことを今でも覚えている

 

 

 

でも、同じような場面を想像したら、きっと私も娘にフォークを譲るだろう

 

 

 

 

いつの時代も、

母親は子どものことが一番で、

子どものことに精一杯

 

 

 

十組の親子がいるなら、

十通りの接し方や言葉がある

 

 

 

「正しい子育て」なんてどこにもなく、

お母さんがその場 その時、子どもに対して思ったことが紛れもない事実で、

 

子どもがお母さんに向けた態度や言葉や表情が現実なだけ

 

 

 

 

いつかきっと、娘もご縁しだいでは誰かの親になるときがくるかもしれない

 

 

その姿を私は見れるかどうかはわからないし、自分の子どもを通して私のことを考える瞬間がくるかどうかもわからないけど、

 

自分の子どものことが一番になるだろうし、
自分の子どものことに精一杯尽くすだろう

 

 

そうやって、親から子への想いはずっとずっと変わらずいつの間にか同じように受け継がれていく

 

 

 

娘を通して実母を想った今日、母の日が2日後であることに気づいた

 

 

 

今年は娘の写真を送ってあげようかと思う。