お出汁を飲むと塩分過多・味覚障害になるか?という質問に対する回答

私の講座の1つ、『お出汁の会』では、

「お出汁をお茶代わりに飲んでくださいね」

とお伝えしています。

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先日の鳥取でのお出汁の会の一幕。削り方をすぐにマスターしていたお子さま。

 

 

 

その栄養価を考えると皆さん納得されるのですが、講座中の試飲では、毎回濃いめのお出汁を用意しています。

 

 

 

 

すると、時々、

「こんなに濃いお出汁を毎日飲んでいると塩分過多になりませんか?」

という質問を受けます。

 

 

昆布も鰹節も煮干しも海のもの

塩分を感じて当然で、その塩分を気にされての質問です

 

 

 

濃いお出汁は、塩や醤油を入れなくても十分美味しいものです。

 

 

調味料を加えなければさほど問題視することでないと思っています。

 

 

 

 

そして、もう1つ。

 

「こんなに濃いお出汁を毎日飲ませて、子どもが味覚障害にならないか?」

という質問も時々受けます。

 

 

 

先の質問と同様、調味料を入れなければまったく問題ないと思います。

 

 

 

「濃いめのお出汁」は、何が濃いのか?というと、「旨味が濃い」のです。

 

 

調味料が多く入っていることを指すのではありません。

 

 

旨味の中には私たちのカラダやココロを整えるために必要な栄養たちがたっぷり含まれています。

 

 

味覚障害は、栄養不足からも起きます。

 

 

栄養満点のお出汁を飲んで味覚障害になるどころか、味覚が整ってきます。

 

 

 

というより、そもそもなぜ濃いめのお出汁の試飲を講座の項目に入れているか?ということですが、、、

 

 

それは、日々のお出汁生活を楽チンにするための工夫の1つとしてお伝えしていることももちろんあります。

 

 

ですが、私たち現代人…  特に大人は、本物の「旨味」を感じにくくなってきているからです。

 

 

理由は2つ

 

①小さい頃から化学調味料に慣れ親しみすぎていること

 

②外食が日常化していることにより、濃い味付けに対抗がなくなっていること

 

 

 

 

「旨味」というのは人工的につくることができます。

 

 

しかし、それはウソの旨味であることは味覚を研ぎ澄ませればわかることなのですが、カレーやシチューのルーや焼肉のたれ、ソースやケチャップやドレッシング、その他、レトルト食品、インスタント食品、お菓子などを小さい頃から食べていれば、ウソの旨味と本物の旨味とが区別できなくなります。

 

 

市販のソースやケチャップや白だしなど、化学調味料が入ったもので味付けをすると途端に単調な味になるのに、それを「美味しい!」と思ってしまっている。

 

 

本物の旨味は複雑なものなので、後から後からジワジワと感じるのです。

(だからテレビでよく見る、2〜3回噛んですぐに「美味しい!」と言ってるものはほとんど化学調味料の味か調味料の味だということがわかりますね)

 

 

 

カラダに栄養が足りていない時は、調味料を入れていないお出汁であっても濃いめのお出汁を美味しいと感じます。

 

 

しつこいようですが、旨味には栄養がたっぷり入っているからです。

 

 

 

だから、私の講座では、

「濃いめのお出汁が美味しいと感じるあいだは、しばらく濃いめのお出汁を用意するといいですよ」

とお話しします。

 

 

足りていないものを満たすためです。

 

 

 

満ち足りてくると、濃い旨味がしつこく感じるようになるので、そしたら薄くしていけばいいのです。

 

 

化学調味料 特にグルタミン酸ナトリウムは、旨味をプラスするだけでなく、味をまろやかにする作用もあります。

 

塩分が入ったものでも甘く感じるように仕上がることができるのです。

 

 

 

塩を舐め続けることはできないけれど、多くの人は砂糖なら舐め続けることができます。

 

 

ケーキバイキングというものがあったり、プリン→チョコレート→アイス→ジュース と、甘いものの無限ループでも平気な人が多いことが何よりの証拠ですね

 

 

 

そして、まだまだ根深い「減塩神話」

 

 

塩気が多いことは気になるけれど、人工的に甘く感じさせられていることは気にならない・気づかない人がたくさんいます

 

 

 

塩気が多いことだけを

「味が濃い」

と言う人はいるけれど、砂糖をはじめとする甘味の使いすぎも当然のことながら

「味が濃い」

と表現できるのです

 

 

 

 

調味料の使いすぎーーー

 

多くの飲食店の味付けは「濃い」です

 

 

お酒が置いてあるお店はお酒のオーダーにつなげるためでもあるけれど、ほとんどは、素材そのものの味がないので調味料の味でごまかすしかない状態

 

 

『原価』というものを意識せざるを得ませんから致し方ないことかもしれません

 

 

 

でも、その外食の味に慣れてしまうと、家庭の中も濃い味付けになってしまう。

 

 

しっかり味付けをしたものでないと「美味しい」と感じなくなっているのです

 

 

 

本物の旨味・本来の美味しさというのは、化学調味料のように単純ではなく、調味料の味ほど強くはありません

 

 

 

本物の旨味を感じてもらうため
不足した栄養を補ってもらうため
という大前提はありながらも、

普段から強い味を口に入れる機会が多いであろう人たちに

「美味しい!!」

を感じてもらうためにも、お出汁の会では濃いめのお出汁を試飲してもらっています。

 

 

 

味覚はつくっていくものです

味覚は育てていくものです

 

 

これまでウソの旨味を美味しいと感じてきたなら、その味覚もつくられ、育てられてきたのです。

 

 

本物の旨味を感じられる味覚を持つ人を増やすために、お出汁の会はじめ、『5つの魔法の調味料講座』『手づくりベーコンの会』『肉フェスー牛肉解体ー』などの講座やイベントを行なっております。

 

 

8/21は、福岡でお出汁の会と魔法の調味料講座

8/26は、富山でお出汁の会と栄養学講座

10/7は、東京で肉フェスー牛肉解体ー

10/28は、広島でお出汁の会と魔法の調味料講座

をやります。

 

講座の詳細はこちら→やもりなおみイベント情報&オンライン講座メニュー

 

 

 

と、なんだかヤラシイ終わり方になってしまいましたが(^_^;)

 

 

まぁ、とにかく、

塩も何も入れていないお出汁を常飲したところで塩分過多にも味覚障害もならない

 

それより、世に出回っている多くの加工品や常々利用している外食を避けた方が、塩分過多や味覚障害という不安はなくなりますよ

 

というお話でした。