人が自分の栄養不足を疑わない理由

私が開催しているお出汁の会では、お出汁の試飲をしてもらっているのですが、そのお出汁はかなり濃いめです。

 

 

『濃いお出汁を飲んでみて「ハァ〜 美味しい…」とカラダに染み渡っていく感覚がある場合は、いろいろ栄養が足りてないかもしれませんから、個人的にはしばらく濃いめのお出汁を飲んでみることをオススメします』

とお伝えしています。

 

 

で、、、

実際にお出汁を飲んでもらうと、全員と言っても過言でないほどの人が

「美味しい・・・」

と声を漏らしたり、座学で強張った表情が緩んでいくのが見ていてわかります。

 

 

すると、試飲の前に私が言った、

『美味しいと感じた人は栄養が足りていないかも』

という言葉がふと蘇るようで、ハッ!とされる方もいます。

 

「私・・・足りてないんだ・・・」と。

 

 

お出汁を飲んで初めて自分のカラダの状態に気づくのです。

 

 

 

そういう場面を今までたくさん目にしてきました。

 

 

 

現代人で栄養満タンの人はほぼいない

 

私はそう思っていますので、お出汁をきっかけにハッ!とされる姿を見ても特に何も思わずにきました。

 

ですが、先日 富山での講座を終えた夜、いつものその場面の背景にあるものを自分なりに考えてみました。

 

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富山の講座でお昼ご飯につくっただし巻き

 

 

今思えば、「お出汁の会」と「オカンのための栄養学講座」という2本立てだったという影響もあるとは思いますが。

 

 

 

 

なぜ、こうもたくさんの人が自分の栄養不足を疑わないのか?

 

 

 

 

 

 それは、長い時間をかけて栄養を失ってきているから。

 

 

 

本当にジワジワと長期間のあいだに少しずつ少しずつ栄養が足りなくなっているのです。

 

 

 

オカンのための栄養学講座でお話しすることですが、健康を維持するための栄養はいついかなる時も必要です。

 

 

それすらないと毎日の健やかな暮らしも継続困難になってしまうのは簡単に想像できること。

 

 

 

1年で身長が5センチも伸びたり、体重が2〜3キロ簡単に増えたりする子どもは、健康を維持するための栄養とは別に、成長するために必要な栄養の需要が起こってきます。

 

ゴロゴロ寝ていた子がいつの間にか一人で座れるようになって、放っておいても歩くようになって、「ママ!パパ!」としゃべりだす。

 

飛んだり跳ねたり、大人から見ると「なんで今?!」と不思議に思うタイミングで走ったり、段差があれば登ろうとするし、今度はそこから飛び降りる…

 

3〜4歳にもなれば文字を覚えようとするし、好きなアニメの歌もちゃんと覚えて歌いだす…

 

これらの成長や行動に見られるカラダや脳の変化の裏側では、必ず『栄養』というものが一人の人間を支えていることは意外に知られていません。

 

 

 

砂の粒より小さかった卵が、たった半年ほどでポコポコとはっきりとした感触として認識できるほど大きくなる胎児にどれほどの栄養が渡されているのか、私たちの想像を絶するほどのものだということも理解できると思います。

 

 

となると、妊婦という立場にある人は、自分の健康を維持するための栄養と、胎児に十分渡せるだけの栄養とが必要になってくるわけです。

 

 

 

大人になってからも、目に見えるほどのカラダの成長はないものの、さまざまなストレスに対応しなければいけません。

 

それも、栄養が足りていなければストレスに弱いカラダになってしまいます。

 

暑い

寒い

暗い

眩しい

こういったこともストレスであることを考えると、日々いろんなストレスの中で暮らしていることがわかります。

 

 

 

 

さて・・・

 

 

自分が子どもの時

思春期の時

受験勉強に励んでいる時

新入社員や転職など、新しい環境に身を置くことになった時

徹夜した日

アルコールを飲んだ時

毎朝のコーヒーがやめられない平日

妊婦の時

出産を控えた時

産後

授乳している時

寝たくても眠れない時

病気をした時・・・

 

「私のカラダは栄養で満ち足りていた!」

と自信を持って言える時はどれほどあるでしょうか?

 

 

 

 

ほとんどの人が、

「出ていった栄養のほうが多かったかもしれないなぁ…」

と思われるのではないかと察します。

 

 

 

 「昨日1日の食事で、どんな栄養をどれほど意識しましたか?」

と質問されても、はっきりと答えられる人は少ないと思います。

 

 

 

 

そういう食事を今まで何年も、何十年も続けてきたのです。

 

 

 

 

その結果が、

 

いつの間にか起きた肩こりだったり、

いつの間にか起きた便秘だったり、

いつの間にか起きた口臭だったり、

いつの間にか起きた寝不足だったり、

いつの間にか起きた肌のかさつきだったり、

いつの間にか起きた頭痛だったり、

いつの間にか起きた食欲不振だったり、

いつの間にか起きた胃もたれだったり、

いつの間にか起きた腰痛だったり…

 

 

いつの間にか

いつの間にか

いつの間にか…

 

「カラダに良い!」と言われているものでも消化吸収できなくなっているのも、これまでの積み重ねの結果であることも多いのです。

 

 

 

お腹や肩や頭が痛み出した初めの頃は意識するけれど、それらは簡単に慢性化します。

 

 

 

だから、それらの不調があること自体に慣れてしまう。

 

もしくは、本当に自覚がない。

 

 

 

 

その現れとして、お出汁を飲んだ時にハッ!とするのです。

 

 

本当に、見事なまでに自分のカラダが栄養を欲していることなんて信じられないといった人もいます。

 

 

「え〜〜!!ウソ〜〜!!サプリ飲んでるのに…」

と声に出した人もいるくらいです。

 

 

 

 

人間は食べないと生きていけません。

 

残念ながら、他から命をいただかないと生きていけない仕組みになっています。

 

 

 

 

でも、もし、「今までカラダが必要なものを口にしてきた!と言える時ってないなぁ…」と思うなら、今からでもカラダに恩返しをしてみてはいかがでしょう?

 

 

 

私が提案するのはもちろんお出汁ですが、それ以外にも最適なものはあるかと思います。

 

何か1つでもカラダが材料として使いやすいものを入れてあげるようにするといいと思います。

 

 

もちろん、何を入れるにしても消化吸収できるカラダにしておくことは大前提ですが。

 

 

 

 

 

栄養は、生きている以上、必ず使われていくこと。

私たちは、栄養のチカラを借りて生きていていること。

私たちがカラダに入れたものは、どんなものでもカラダは何とか代謝していこうとすること。

それには、カラダの中にある栄養が材料になっていること。

 

その事実は変わりません。

何がどうなっても変わりません。

 

 

 

私たちのカラダはとっても健気なのです。

 

明日も生きていこうとしています。

 

 

 

これ以上「いつの間にか起きる不調」を増やさないためにも、今日からできるカラダへの恩返しをオススメします。