「無添加がいい」「無農薬がいい」と言わないほうが良い理由
誰だって自分や家族のカラダの中に入るものは、そりゃあ野菜やお魚やお肉は薬を使ってないものがいいだろうし、加工品は添加物が入っていないものがいいと言う人が多いだろうと思う。
でも、だからといって、やたら「無農薬」「無添加」と声高に言うのはやめたほうがいいと思う。
なぜかと言うと、言えば言うほどニセモノが出てきてしまうから。
堂々と「無添加」と謳っていながら、〇〇エキスや蛋白加水分解物などといったものが入っている加工品は山ほどある。
〇〇エキスや蛋白加水分解物は、食品にカウントされるため「添加物ではない」という主張がまかり通る。
でも、おそらくどんな加工品も、〇〇エキスや蛋白加水分解物を使わなくてもできるはず。
出汁パックや、かまぼこやソーセージといった使いやすい身近なものも、本来なら〇〇エキスや蛋白加水分解物などなくてもつくれるはず。
なぜ使うか?というと、
まず、素材が粗悪。
素材に自信がないから誤魔化さなきゃいけない。
あとは、利益のため。
〇〇エキスや蛋白加水分解物が入ると、強い旨味がプラスされる。
その強い旨味によって、消費者の味覚を麻痺させ、リピーターにさせる。
少なくても、このどちらかは理由としてあるはず。
無添加でも、実は保存料だけが無添加の場合もあるから余計に紛らわしい…
「保存料」としか書いていなくて、でも、中身は本当に様々で、「え?それ保存料なの?!」ってものもあったりする。
そんなことを言えば、「ビタミンB」とか「香辛料」だって、いろんなものをひっくるめてそう書けばOKだったりするから、何が入っているか詳しく知りたい消費者にとっては非常に不利だったりする。
まぁ、とにかく、せっかく「カラダに優しいものを」と願っていても、あまりにも世間が「無農薬」「無添加」と言いすぎると、それはブームになって終わりなわけです。
ブームとは、消費者の関心を基にいとも簡単に作りだすことができるから。
ブームになるということは、一過性のものであるということ。
残念ながら、決してスタンダードになることはない。
人間は、食べ続けなければ生きていけない。
だからこそ、
食をブームにしてはいけない。
無添加ブーム
無農薬ブーム
Non GMOブーム
環境ホルモンゼロブーム
さもそれが良いことのように謳えば謳うほど本物は手に入りにくくなる。
やたら「無着色」の表示が多い明太子のように。
やたら「ノンフライ」の表示が多いカップ麺のように。
やたら「糖類ゼロ」「糖質ゼロ」の表示が多いお菓子や飲みもののように。
そこに着目させて、実は他にある問題を見せなくしている加工品がなんと多いことか。
ただ、覚えておかないといけないのは、それらのすべては私たち消費者がつくりだしたことだということ。
メーカーが勝手につくったものではない。
メディアが勝手につくったものでもない。
我々消費者の声を反映してつくられたものなのです。
だから、言いたい。
無添加!無農薬!と言うな!
と。
食べるものが無添加なことが当たり前になっているなら、わざわざ「無添加の○○を食べた」とは言わないはず。
無農薬のものを食べることが当たり前になっているなら、わざわざ「無農薬の○○を食べた」とは言わないはず。
それを公言する行為そのものが、無添加なもの・無農薬のものをまだ特別視しているということ。
まだまだあなたの生活の中に根付いていないということ。
インスタ映えの画像と同じ。
自分が気に入ったものが見つかれば、ただただ買って応援するのみ。
提供する側も、オーガニックかどうか、無添加かどうか、無農薬かどうか、Non GMOかどうかは聞かれてはじめて答えるくらいでいいのかな、と思ったり。
だから、私の「ベーコンの会」も数ヶ月前から
『無添加ベーコンの会』ではなく、
『手づくりベーコンの会』に名前を変えました。
無添加を日常にするために。
「無添加」と書いてあっても、蓋を開けてみると無添加ではなくてガッカリする人を減らすために。
そんなことをしなくても、インチキしているメーカーはそのうち潰れるか、本当の意味でのファンはつかないでしょうけど、個人レベルでできることはやっていきたいな、と。
いつの日か、添加物・農薬・GMO・環境ホルモンを使ったものが特別視される世の中になりますように。
表示義務も今と逆転すればいいなぁ…と密かに願っております。
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