お祭りの金魚すくいで考える、「命を買う」行為について。
SNSを眺めていると、全国各地でいろんなお祭りが行われているのがわかります。
まさに夏祭りシーズン。
お神輿や山車などで私のスマホはいつも賑わっています。
そんな私もお祭りは大好きで、それは娘も同様です。
先日は2日連続で夏祭りを楽しみました。
普段はあまり食べない焼きそばやたこ焼きもお祭りの時だけは解禁。
甘いものもかき氷や綿菓子くらいは娘と一緒に楽しんでいます。
りんご飴は避けてますが^^;
娘のお祭り好きは、普段とは違う雰囲気になることや、かき氷や綿菓子が食べられることも理由なのでしょうが、ヨーヨー釣りやスーパーボールすくいなどの遊びができることも大きいようで、仮にかき氷を買わなくても当てものなどで遊ばせてくれるお店があれば満足しています。
ヨーヨー釣り
スーパーボールすくい
射的
輪投げ…
いろいろな遊びの中で今年初めて体験したのが金魚すくい。
今まで金魚すくいは見ているだけでした。
理由は単純で、水槽も金魚鉢もないから。
「金魚すくいして持って帰っても金魚のお家はないけど、どうする?」と聞くと「じゃあ見てるだけにする」と言うので、今までやることはなかったのです。
ですが、この1年くらいで娘はすっかり動物好きになりました。
猫が飼いたい
犬が飼いたい
ウサギが飼いたい
ハムスターが飼いたい
インコが飼いたい
いろいろ言われます。
ペット禁止の集合住宅なので犬や猫はNGですが、それ以外なら…と思い、ハムスターやウサギを飼うことを真剣に悩んだこともあります。
命を育てる経験から学び得ることはたくさんあるんじゃないかと思って。
特にウチは一人っ子です。
前にも書きました(2人目を諦めて思うこといろいろ。 - やもりなおみの「食べること。暮らすこと。生きること。」)が、いろんな理由から2人目はつくらないと決めました。
だから余計に何か動物を飼うと娘も寂しくないかな?とか思ったり。
親のエゴと言われればそれまででしょうが。
そんなこんなで、私の中でも初めて
「この際、金魚鉢を買って育てるか!」
と思い、娘に許可を出しました。
2回やって結果は8匹くらい。
お姉さんが2匹くらいオマケに入れてくれたけど。
持って帰りながら飼育方法をいろいろ考えつつ、お祭り会場にいた友人に、家に帰ってまずやることや、水道水への慣れさせ方など細かく聞いて持って帰りました。
結局 私のやり方がまずかったのか、翌朝には全部死んでしまいました。
もうなんとも言えない気持ちになって、結局 娘とごめんなさいしてさようならをしたのですが、その時に頭によぎったのはネットを介して何度も目にしたことのあるこんな話→「商品」になれなかった犬猫たち 闇の犬猫「引き取り屋」 – 世界を視るフォトジャーナリズム月刊誌DAYS JAPAN
私は金魚を死なせてしまった。
そこへの罪悪感ももちろんあるし、
どうやったらあの子たちを死なせずに済んだのだろう?
やっぱり我が家に持って帰らないほうがあの子たちにとっては幸せだったのかもしれない…
と今でも思います。
そして、持って帰ってもらえなかった金魚たちのことも考えました。
果たしてちゃんと育てられているのか?と。
それは別にその日のお祭りだけではありません。
私が住む京都には祇園祭という大きなお祭りがあり、そこでも点々と金魚すくいのお店はあります。
全国規模でいうと、一体どれだけの金魚たちが売られているのだろう?と思うと、やはりいたたまれない気持ちになってしまいます。
では、熱帯魚を売るお店などで買えばいいのか?と言うとそれはそれでまさにペットショップと同じことだし踏みとどまってしまう。
じゃあ、実際に育てている人からもらうしか方法ないやん!と思ったりもするし、全国にある熱帯魚屋さんの管理がずさんなわけではないと思うけど。
そういえば、私が小さい頃はお祭りでカメやヒヨコも売っていました。
私の実家周辺では、いくつかの家が育てられなくなったカメをため池などに放った結果、生態系がすっかり変わり、カメがウヨウヨといる場所もあります。
琵琶湖では、外来種の魚の繁殖によって昔より漁獲量がグンと減った魚たちの存在があります。
いずれも、買った(飼った)人間の軽すぎる責任の結果です。
ヒヨコも、「飼ってたらニワトリになったからイヤになって人にあげた」と言う人もいました。
買って行った先でみんな立派なニワトリになって、そのあとも家族として受け入れられ、幸せな最期を迎えたのでしょうか?
そもそも、なぜお祭りでヒヨコを売る必要があったのだろう?
そんなことを考えていました。
もちろん、金魚すくいのお姉さんも、カメ釣りのお兄さんも、ヒヨコつかみ?のおじさんも、子どもたちを楽しませたい!との一心でされていたのかもしれません。
それ自体は何も否定はしないのだけど、命を買う責任という視点で考えると、売る側の気持ちが軽ければ買う側の気持ちも軽いのかも…とも思ったりして。
お祭りの出店に過剰なサービスを求めるつもりはないけど、
この金魚たちはこうやって育ててね。
カメは絶対に川や池には放さないでね。
ヒヨコはニワトリになったらこうやって育ててね。
というような、
あなたは命を買ったのですよ
と買い手に伝わるようなアプローチが必要なのかもしれない。
以前、花屋で働いていた時、ホテイ草という植物を取り扱ったことが何度かありました。
画像はこちらから拝借→ホテイアオイ・ホテイ草の育て方~開花~越冬まで!メダカと相性抜群です! - メダカの飼育、飼い方を知ろう -アクアリウムなら大分めだか日和
ホテイ草は外来種なので、池や沼に放すと大繁盛してしまいます。
だから、買って行くお客様にはお約束ごととして「捨てるときはゴミ箱にお願いします」と必ず伝えていました。
上のサイトにも明記されています。
↑青線引きました。
動物だから…
鳴くから…
血が出るから…
大きいから…
小さいから…
そんなことは一切関係なく、犬も猫もヒヨコもカメも金魚も植物も、同じ命であることには変わらない。
それを「買う」ということは、「育てる」こと。
楽しんで、買って、それで終わりじゃない。
私としては意を決して娘に許可を出したものの、やっぱり準備を整えてからやらせるべきだったと痛感しています。
金魚すくいがあるとは知らずに行ったお祭りだったとしてもです。
今回初めてやった金魚すくいで自分がすくった金魚たちを育てられなかった悲しさを娘なりに感じているようで、
「次はちゃんと金魚鉢を買ってから金魚すくいをしようね」
と話したら深く納得していました。
そんな私たちですが、いつか、親子で命を育てる大切さが経験できれば嬉しいです。
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