朝ごはん屋さんをやってみて思ったこと~安くて美味しくてカラダに優しいご飯はありえない法則について〜

 

10/27(日) 人生初となる「朝ごはん屋さん」を開店しました。

 

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場所は、京都・七条大宮『キッチンNagomi』さん

 

 

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7:30〜11:00 限定30食を用意して挑みました。

 

 

 

なぜ朝ごはん屋さんなのか?

 

朝ごはんは一日のスタートとして本当に大事だと思っているから。

 

朝ごはんを食べることによって人のカラダは目覚めます。

 

でも、菓子パンと牛乳、納豆ご飯だけ、コーヒーだけ、そもそも食べない、お腹が空かない、、、とか、、、

 

う〜〜〜〜ん…と思い。

 

本当に時間がなくて「とりあえずこれだけ!」っていうのならまだわかりますが(てか、なぜ時間がないのか?ギリギリまで寝てるから?どうして早起きできないの?カラダを犠牲にしてまで夜遅く働かなきゃいけない生活環境ってどうなの?とかの問題ももちろんあるけど)

 

でも、そういう朝の過ごし方を当たり前として生きていくと10年後のカラダはどうなるんでしょう?

 

なぜコーヒーがないといけない?

なぜパンしか食べられない?

なぜお腹が空かない?

 

考えるべきはそこです。

 

 

たまたま耳にした、娘と同い年の子の「朝はコーンフレークだけやった」という一言も大きなきっかけとなりました。

 

 

そこで、現代人に必要なのは、

身も心もホッとできて、自然と活力が湧いて、明日も楽しみになるような朝ごはんなんじゃないか

と。

 

 

いつの間にかコーヒー要らずの朝を迎えられるようになったり、

「朝はパンよりお米でしょ!」って思うようになったり、

朝ごはんを楽しみに起きられるようになったり…

そんなお店があったらいいのになぁ…と思ったものの、見渡すと、

「モーニング」と看板を掲げたお店はだいたいパン。

 

米飯朝食を提供してくれるお店でも、タンパク質が足りなかったり、野菜ものがお漬物しかなかったり、顆粒だしであろうお店が多くて理想には程遠い。

 

 

あそこはダメ!ここはダメ!と悶々とするくらいなら自分でやったほうが良い!

と思い、私なりに案を練って。

 

 

 

 

メニューを決める上でどうしても譲れなかったのは、以下の8点。

 

①調味料や油は普段 家で使っているものを使う。

②お出汁は素材から引く。だしパックも使わない。

③小麦粉・乳製品は使わない。

④砂糖も使わない。

化学調味料はもちろん、なんちゃらエキスやタンパク加水分解物など抽出方法が怪しいものも一切入れない。

⑥お味噌汁は具だくさん。

⑦タンパク質は2種類以上。

⑧野菜・海藻・発酵食品は必ず入れる。

 

まぁ、家で普通に作っている朝ごはんをいかに売りものにするか?

ってだけの話なんですけどね。

 

 

で、実際にお出しした朝ごはんはこちら。

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お米は前日に精米

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お米は精米から時間が経てば経つほど美味しくなくなる。

本当は当日精米をしたかったのだけど、起床時間が早すぎなのでせめてもの思いで前日精米。 

 

 

長崎から取り寄せた焼きあごと昆布を使って、ゆっくりじっくりお出汁を引き、

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胡麻和えの胡麻は直前に炒って

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最近 再燃したぬか漬けのナスは、もちろんミョウバン不使用(だから色が悪い^^;)

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ミョウバン=アルミ。ただでさえいろんなものから人体に入ってくる重金属は、デトックスが大変。

普段からアルミ鍋やアルミホイル・アルミカップの使用を避けているのに、色止め目的だけのミョウバンは不要だと思う派です。

 

 

鰯の丸干しはこう見えて、大人の女性の手のひらくらいの大きさです。

f:id:y_naomix:20191029124121j:image塩だけで味付けされた丸干し身も分厚くて食べ応えあり!

 

2種類の小鉢は、ひじき煮を中心として、モロッコインゲンの胡麻おかか和えと、甘長唐辛子のじゃこ炒めのどちらか。

この3種類の味付けは、「5つの魔法の調味料」のうちのたった一つの調味料で。

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 小鉢にもタンパク質をちょい足し

 

 

温泉卵にかけたお出汁は、焼きあごと昆布のお出汁に鰹節を加えたお出汁に、ひじき煮・胡麻和え・じゃこ炒めに使った同じ調味料を合わせたもの。

 

 

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これで900円。しつこいけど笑

 

 

 

安いと思うか高いと思うか。

その違いはあって当然。

 

 

この賛否あるであろう価格と内容でも、今回ひしひしと感じたのが、利益を出すことの難しさ。

 

 

 

 

私の中で、朝ごはん屋さんはずっと長くやっていきたいことの一つです。

 

軽い気持ちでやる単発イベントでもなければボランティアでもない。

 

仕事であり、事業。

 

継続していくためには、利益は必要です。

 

 

となると、ぶち当たるのが原価の壁。

 

 

 

そして、どこまでこだわるか?という自問自答がスタート。

 

 

 

上記 赤文字の8点が譲れないとしたら、譲れるところはどこだろう?

と、頭の中はそればかり(^_^;)

 

 

例えば、焼きあごは産地をこだわらなければベトナム産も手に入ります。

 

安いです。

 

対して、国産のものは業務用と明記してあっても100グラム1000円以上はします。

 

 

胡麻は、「国産」とも何とも書いていないものや海外のもので良ければ1キロで1000円以下。

 

国産の、有機表示のあるものになると500円〜700円は変わってくる。

 

鰹節も自分で削れば安く済むけど、削りたての香りと美味しさを重視するなら、コストの代わりに手間と時間が取られてしまう。

(本当のことを言えば、卵は2~3個使いたかった…泣)

 

 

 

スーパーに行くと、下処理済みのこんな野菜たちが並んでいます。

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やっっっっっっっっすいです!

 

 

でね、今までの私はこういう類のものを買う人の気持ちがまったくわからなかった。

 

誰が処理したかわからんものをなぜ買うのか。

水に浸されて、風味も栄養もきっと抜けきっている…もしかしたら、歯ごたえさえ残っているか怪しいものを、一体どんな人が買っていくのか。

 

包丁とまな板を洗いたくないほど疲れている人ならわかるけど…

なんて思っていた。

 

 

でも、今回わかりました。

 

 

だって、どれもこれもめっちゃ安いもん!!!

 

蓮根なんて、フレッシュを200グラム買おうと思うなら倍以上の値段になりますよ。

 

 

 

 

飲食店を経営する上で、削減できるところは明確。

 

人件費と材料費です。

 

そのうち、人件費はある一定以上は削れない。

 

それ以上のコストカットが求められた場合に標的になるのが材料費じゃないかと。

 

 

 

今回、いろんなお店に買い出しに出かけて、下処理済みの野菜たちが目に入らなかったわけではありません。

 

「あぁ… そうか。こういう時に役に立つのがこういう野菜なのか」と思い知りました。

 

 

 

美味しさや栄養と引き換えに得られるもの。

 

それは、お店を継続していく上でものすごく大切なものかもしれません。

 

だって、従業員や経営者の生活がかかっているから。

 

 

 

でもね、私はそこも自分への課題として掲げていきたい。

 

 

まだまだ世の中の常識として根強い、

安いものは良いものだ

という認識を

安いものはそれなりだ

に変えていけるか。

 

 

じゃないと、いつまでも外食産業は発展しない。

 

真っ当なものを地道に作っている人たちも報われない。

 

 

日本の食事情のクオリティーを上げるためには、

良質なものはそれなりの価格になり、そうでないものは何かしらの代償を払わなければいけない

ってことを常識としなければ、いつまで経っても

こういったものはなくならない。

 

 

食のクオリティーはそのままQOL(Quality of life) 生活の質・生命の質・人生の質に直結します。

 

そりゃ、日本国民全員が無農薬野菜を買う時代がくれば良いけれど、それはまぁ考えにくいし、私も私の講座や朝ごはん屋さんに来てくれる人全員に求めるつもりもない。

 

食の面でも二極化は避けられないとも思うし、それぞれができうる限りのことを続けていけばいいと思うし。

 

 

でも、今まで食の安全やカラダへの負担などを一切考えてこなかった人が、私が作った朝ごはんを食べたことがきっかけでほんのちょっとだけでも立ち止まってもらえたら…

とは思う。

 

 

せっかくゆったりとした気分で朝ごはんを食べている人に向かって添加物がどうの、ノルマンヘキサンがどうのと要らぬ話をするつもりはないけど、ふとした時に、その違いを感じてもらえるようなオフラインの発信拠点にできることを願っています。

 

 

目指すは、地元の人に愛されるお店です。

 

 

私の場合、ありがたいことに北海道から沖縄に住む方や、海外在住など遠方の方とのつながりが多く、

「京都に行ったら、神社仏閣巡りとなおみさんの朝ごはん屋さんは必ず行く!」

と思ってもらえることはとても嬉しい。

 

でも、やはり通常を支えてもらうのは地元の方々。

 

朝ごはん屋さんで地元の方々と旅行者がうまく共存できる場になればいいなと思うわけです。

 

 

 

私が何を考え、何をしているのかまったく知らない人にどう知ってもらうか。

 

 

そういう意味で、今回は整理券なども配布しなかったし、どなたにでもフラッと入って来てもらえたらいいな…なんて考えながらオープンした朝ごはん屋さん。

 

朝イチから立て続けに来てくださったのは、私の講座の受講者さんたち。

 

 

みなさん、「美味しい」「美味しい」と召し上がってくださっていました。

 

 

家族みんなで来てくれた男の子は、目の前に持って行ったら

「うわ〜 いっぱいや!」

とボソッと。

 

その家族の一番上のお姉ちゃんは、帰り際に

「お味噌汁のお出汁は何で取ってあるんですか?」

と質問してくれたり。

 

最後にママと妹と三人で来てくれた男の子は、温泉卵を気に入ってくれたようで、少し残っていた妹の器を持ち上げて

「お兄ちゃんが食べてもいい?ねぇ、いい?食べるよ」

と何度も確認していたり。

 

通りすがりに入ってくださったカップルは、朝ごはんを持って行くと

「おぉ!美味しそう!」

と呟いてくださったり。

 

 

ほんの数時間のことでしたが、嬉しい瞬間がたくさんありました。

 

 

 

結果的に完売とまではいきませんでしたが、たった一度でこんなにも発見があるとは思わず、

「これは是非とも続けていこう!」

と思った次第です。

 

…って、何年も何十年も飲食業を営んでらっしゃる方々からすれば

一回でわかった気になるな!

とお思いになるでしょう。

 

継続すればするほど問題や困難が出てくるのだと思います。

 

それでも、自分の信念を持ちつつ時代に合う形でどう発信できるかがちょっと楽しみでもあり。。。

 

 

 

とにかく、この京都の地で、四半世紀以上 抱き続けた“自分のお店の実現”に少しでも光が差してきた感覚を確かめています。

 

ボチボチと楽しんでいこうかと。

 

 

今後の予定は

11/10

12/1

1/12

1/26

いずれも日曜日です。

 

お待ちしております♪

 

 

※最新情報はNagomiさんのHPでご確認ください。 

 

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