なぜ鰹節やマグロ節があるのに、鯛節やヒラメ節がないのか?〜干物の美味しさとお刺身の美味しさ〜
美味しそうな鯵の開きを見つけたので、さっそく焼きました。
私は海に近い場所で生まれたので、ほんの少し前までは、魚を干物にして食べるという感覚がまったくわからなかった。
なぜ???と。
新鮮な魚がいつも手に入る場所で暮らしていると、魚を焼くのは焼き魚だけ。
魚屋さんに行っても干物はなかったし、近くの定食屋さんに行っても焼き魚定食しかない。
当然 家でも干物は出ず…
てか、世の中に干物なんて存在があることを知ったのは、大人になってずいぶん経ってからのことじゃなかったかなぁ…
でも、最近ようやく干物の美味しさを知りました。
塩焼きとはまた違う味わい。
魚は干すと水分が抜ける代わりに旨味が凝縮されます。
魚はタンパク質ですから、アミノ酸が分解されて美味しくなるということもありますが、魚の旨味成分「イノシン酸」は、実は獲れたての新鮮な魚では少ないのです。
ここがおもしろいところ。
エネルギーの元となるATP(アデノシン三リン酸)が分解されてイノシン酸がつくられるのですが、死後硬直後、約数時間〜10時間ほどで最大値に達します。
だから、いけすから引き上げたばかりの、まだピクピク動いている魚はイノシン酸の旨味は感じられない。
だから、お料理屋さんではお刺身でも熟成させた魚を使うのです。
このATPは、多く含めば含むほど死後硬直後にイノシン酸が多く、旨味も多いことになりますが、釣り上げられた後、激しく暴れたりするとATPは減少していく。
だから、漁師さんは釣ったあとに魚がなるべく暴れないように素早く締め、また、締め方にもこだわる理由はそこ。
網でガサーーッと獲る漁の仕方より、一本釣りが価値あるものとして重宝されるのも同じ理由。
ATPは鯛やヒラメなどの白身魚より、カツオやマグロなどの赤身魚のほうが多く含んでいます。
だから、鰹節やマグロ節があるのですね〜
おもしろいでしょ?
話がかなり逸れてしまいましたが、魚の旨味の仕組みを知ると、お料理屋さんのお刺身も干物も、より美味しくいただけますね!
干物 食べてますか?
先日、おじゃこについても書きましたが
みんなも食べよう!ちりめんじゃこ〜おじゃこの魅力について〜 - よだなおみの「食べること。暮らすこと。生きること。」
頭から食べられる魚は、カラダへのリスクが少なく、栄養も豊富!
火のとおりも早いので、手軽に食べられます。
ぜひ、お宅の食卓にも。
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