《体験談》自分の欠点は、実は欠点ではないという話。

私が男性と初めてお付き合いをしたのは、中学2年生のとき

 

同じクラスのTくんでした。

 

 

ずっと片想いをしていたのだけど、不意にTくんも私に好意を持ってくれていることを知ってお付き合いすることになりました。

 

 

とはいえ、まだ中学2年生

 

初めて両想いの人が現れて、初めてお付き合いをする

 

どんなことをする人のことを「彼氏」と呼ぶのかもわからず、とりあえず交換日記 

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今から30年ほど前の話なので、携帯もなければポケベルもない

 

いや、ポケベルは世に存在したのかもしれないけど、中学生で持っている人はいませんでした

 

 

だから、とりあえず交換日記w

 

 

ひっそりと手紙のやりとりをしたり、一緒に下校するのが精一杯でした

 

 

クラスのみんなにも公言せずにお付き合いをしていたので、学校にいる時間のあいだで2人きりになることはなく、一緒に下校するときも学校の門から少し離れたところで待ち合わせをして帰るほど。

 

 

2人きりの時間が本当に愛おしくて、少しでも長くTくんと一緒にいたかったのだけど、私の家は親が厳しかったということもあり、公園に寄って話でもしようものなら帰宅時間が遅くなって怒られるだろうし、男の子と2人で歩いている姿を見られたなら何を言われるかわからなかったので、家のずいぶん手前で別れて帰宅していました

 

 

 

そんなTくんにまだ片想いをしているとき、好きだということをひた隠しにしていたので、クラスの中では普通に接していたのだけど、

 

ある日、Tくんを含めた数人のクラスメイトと話をして、みんなでゲラゲラ笑っているとき、ふとTくんが、

「前から思ってたけど、おまえって口でかいよな…」

と言ってきたのです

 

 

 

自分の口がでかいことを前から自覚していたなら多少は素通りできただろうこの言葉

 

私はそれまで自分の口がでかいことなど思ったことも考えたこともなかったし、

 

ましてや、それを大好きな片想いの男の子から言われたショックたるや、もうホントに一気に地獄に突き落とされた感覚で、

 

ついでに「前から思ってた」って……

 

もうその地獄から這い上がるためのエネルギーもすべて奪われた感じ。。。

 

 

 

本当に本当に、ただただショックで。

 

 

 

打ちひしがれて家に帰り、家族ともあまり会話せず、食欲もわかず、もちろん学校も楽しくない

 

 

 

Tくんにそれを言われたときから、笑うときは口を手で隠して笑うようにしました

 

 

そして、

「お母さん、私って口でかい?」

と、恐る恐る母親に聞いたのが3日ほど経ってから。

 

 

その事実を認めるのが怖くて、3日くらいの時間が必要だったのです

 

 

母親の回答は

「そうね、ちょっと大きいかもね」

 

 

 

 

えーーーー!!!

知ってたん?!?!?!

それなら早く言ってよ!!

なんでもっと早く言ってくれへんかったん?!

そしたらTくんに言われる前から手で隠して笑ってたのに…

そんなこと、Tくんから言われなくても済んだのに…

 

 

悲しさやら悔しさやら怒りやら、もういっぱい込み上げてきました

 

 

 

でも、そこでようやく

「私は口がでかいのだ」

という事実を受け入れることができたのです

 

 

 

でも、笑うときは必ず口を手で隠してから。

 

 

いつもいつも頭の中にありました。

 

 

 

 

 

でも…

 

1週間か2週間か経った頃からだんだんとストレスになってきたのです

 

 

 

今までみたいに笑いたいときに笑いたいように笑えないことが。

 

 

常に「あ!手で隠さなきゃ!」という意識が働いてしまう

 

どんなに楽しくても。。。。。

 

 

 

「もうこんなのイヤ!!!」

って思ったのです

 

 

「ぜんっっっっっっぜん楽しくない!!」

って。

 

 

 

 

それから少し考えました

 

 

私は口がでかい。

それを大好きな片想いの彼から知らされて苦痛だった。

でも、もしかしたら世界には口が小さくて悩んでいる人がいるかもしれない。

その人から見たら、私はなんとも羨ましい人なんだ!

「あの人みたいに口が大きかったらいいのになぁ…」って思われるかもしれない!!

そうだ!口がでかいことは素晴らしいことなんだ!!

それに、もしTくんが「口がでかい女はキライだ」と言ったとしても、私がTくんを好きなことは変わらない。

私はTくんと両想いになりたくて好きになったわけじゃないし、私は私の目で見てTくんを好きになったんだから、それでいいじゃないか!

そうだ!それでいいんだ!!

今までは口がでかいことで悩んでたど、もしかしたら口がでかいことでできることが何かあるのかもしれない。

私が望んで持って生まれたわけではなく、生まれたときから備わっていたもの。

神様から「この大きな口で成し得ることを全うしなさい」というメッセージが込められているのかもしれない!

このでかい口だからこそ役に立つ何かがあるはず!!!

 

 

と思い直したのです

 

 

 

そしたら一気に気持ちが楽になって、Tくんの前でも以前と変わらずゲラゲラと笑えるようになったのですが、中学2年生の私は、

『大きな口だからこそ役に立つ何か』

は見い出すことができず、ただぼんやりと「あるかもしれない」と思っていました。

 

 

 

 

で、時は過ぎ…

 

 

 

高校〜専門学校を卒業し、学生時代、アルバイトを一切禁止されていた私にとって、初就職が人生で初めての仕事。

 

就いた職業は、日本料理屋でのお給仕の仕事…仲居でした。

 

 

 

お店の社長から

「板場がどんなに値段相応の料理をつくったとしても、仲居がその価値を下げてはならぬ!お客さんに、いかに価値を感じてもらうかは仲居の腕にかかってるんだ」

「また来たい!と思ってもらうためには、仲居の立ち居振る舞い・言葉遣い・表情…すべてで決まる」

など、客商売の極意をたくさん学ばせてもらっているうちに、

『自分の魅せかたの必要性』

に気づきました

 

 

で、行き着いた先が、でかい口!

 

 

 

これを活かさない手はない!!

と思って、毎日毎日笑顔の練習をすることにしたのです

 

 

 

朝起きて顔を洗ったあと、その日で最初の笑顔をつくる

 

どう笑ったら良い印象になるか?

どれくらい口角を上げればいいか?

目尻はどれだけ下がるか?

 

自分の笑顔を毎日毎日毎日毎日研究しはじめました

 

 

すると、朝一番の笑顔で体調やメンタルの状態がだんだんわかるようになってきて、出社までにコントロールすることもできるようになりました

 

 

 

お客さまから初めて

「良い笑顔やね」

と褒められたときは、中学2年生のときに思いつきで感じた

『でかい口だからこそ役に立つ何か』

がわかった瞬間でもありました

 

 

 

 

短所と長所は紙一重

とよく言いますが、

 

自分のイヤなところ・キライなところばかり見ていても、いつまで経っても良い方向には行きません

 

 

 

イヤなところ・キライなところを、違う面から見てみると、案外そうでもなかったりもします

 

 

 

必要なもの・欲しいものが自分に揃ってないから豊かじゃない

 

ということではなく、

 

今あるものを豊かに感じる心が必要なのだと思います

 

 

 

人間、生まれつきでも成長過程でも、身に備わったもので不要なものなど何一つないのです

 

 

すべては必要だから備わっている

 

 

今はイヤで邪魔だと感じるものでも、いつかは必ずそれに感謝するときがくるのだと思います

 

 

心の在り方で豊かになれるなら、これ以上安上がりな方法はないですよね

 

 

 

…ということが言いたくて、長々と昔話をしてしまいました(^_^;)

 

 

お付き合いくださりありがとうございました。