前代未聞の手づくりごはんイベント「ケの日ごはん」で感じたことのいろいろ。
少し前のことですが、先月末、メンバー限定のイベント
やもりなおみのケの日ごはん
を開催しました。
私がつくったごはんたちをひたすら食べてもらうというイベントです。
このイベントの発端は、
「1度 食堂みたいなものをやってみたい!!」
という気持ちから。
毎日のごはんはなるべく家で作るようにしていても、いざという時は外食に頼ることも当然ながらあります。
でも、完全なる無添加ごはんとはなかなか出会えないのが辛い現状。。。
「どうしてお出汁を引かないんだろう?」
「化学調味料なしではつくれないの?」
と、素朴な疑問はいつも拭えません…
だから、「1度お店みたいな感じでご飯をつくってみて、完全無添加のごはんがつくれるかどうか自分で試してみたい!!」との想いがずっとあって実現しました。
食材はもちろん、調味料や油や調理器具も持ち込み。
たくさん切るので使い慣れたmy包丁を。
油は、
ノンシリコンの菜種油
ごま油
オリーブオイル
自家製ラード
調味料は、5つの魔法の調味料から1つと、塩と胡椒と酢とコラトゥーラ(瀬戸内コラトゥーラはイタリアンレストランで好評中 - 万能調味料・瀬戸内コラトゥーラ4つ星レストラン絶賛)。
お子様連れOKなので料理に胡椒は一切入れず、お好みで後がけ方式にすることは初めから決めていました。
結果、、、
お昼は12品
夜は15品
(詳細はこちら→やもり なおみ - 一夜明けて。。。。。... | Facebook)
お昼と夜とまとめてつくったのはひじき煮と鶏ハムのみで、あとはすべてそれぞれつくりました。
仕込み時間は、昼夜ともに2時間ほど。
その2時間のあいだに、お出汁は昆布と鰹節で二番出汁までしっかり引きました。
鶏モミジのスープもコトコト煮出しました。
このスープは味付けはせず、そばに塩・コラトゥーラ・カボス・胡椒を置いておいて、好みで味付けをしてもらうようにしたのが功を奏して、「いろんな味で味わえるから楽しい!」と意外な反応をもらえました。
一人でやっているとはいえ、熱いものは熱い状態で出したいので、冷たくてもいいものだけを先に仕上げて、切り置きできるものは最大限で用意しておいて、熱いものは参加者さんが来てから次々に仕上げるようにしました。
やり終えた率直な感想としては、
無添加でできるやん!
ということ。
顆粒だしにも市販のドレッシングにも頼らなくても、昼夜ともに
大人10人・子ども7〜8人くらい
1日通して大人20人・子ども16人くらいの食事ならたぶん賄えます。
会場のレンタル費用は4万円ほど。
普通のお店が負担している家賃や光熱費などの固定費として考えても1日4万円はしないはず。
で、それなりの金額を支払うホテルのブッフェで言うと、、、、
お昼 大人 4,500円
夜 大人 6,000円
子ども 1,500円
くらいはする。
同じ金額を出すとして、
昼夜ともに大人10人・子ども8人集まったとしたら、、、
お昼 大人 45,000円
夜 大人 60,000円
子ども 24,000円
売上 計 129,000円
そこから材料費や固定費を引いたとしても、少なくても5万は残るかな。。。
で、週に5日営業するとして、利益は100万円を超える。
1日の利益が3万だったとしても66万円。
月に60万稼げるなら上等かな…と思う。
もちろん、実際にお店を経営している人から言わせれば、
「たった1日やったところで何がわかるねん!!!」
とお怒りでしょう。
でもこれは、あくまでも
「完全無化調でそれなりの人数のご飯が作れるか?」
という検証なので、細かい計算などはしていません。
設備費や管理費も必要でしょうし。。
素人には到底わからないご苦労もお有りかと思います。
「毎日満席になるかいな!!」
という言い分もあるでしょうしね。
でも、今回の検証として、毎日昆布と鰹節でお出汁を引いても、鶏モミジでスープをとっても、そんなに時間はかかっていません。
用意した材料はそんなに大量ではありませんでしたが、手間だけを考えれば、お昼でも夜でも5組限定の完全予約制のご飯屋さんなら十分にできうる範囲ではないかな…と思いました。
今は、安心安全をお金で買う時代なので、そういうお店が一つでも増えると嬉しいです。
そして、利用者側の
「ホテルでもないのにランチに4,500円も出せない」
という意見もあるでしょう。
ごもっとも!!
でも、今の日本の外食の相場はそもそも安すぎるのです。
1,000円や1,500円のランチで完全無化調なご飯が食べられるわけがないし、無農薬野菜や自然農法の野菜を使ったご飯なんてものも不可能です。
日本の飲食店の中で、安くて、人をすぐに満腹にさせる炭水化物に頼らずにご飯を提供しているお店なんてほんの一握りです。
満足な量のお肉やお魚を食べようと思えば、
そして、さらに質も重要視しようとするなら、やっぱりそれなりの金額を支払わなければ食べられないのです。
人は不思議なもので、安いものばかり求めている人ほど文句が多くなる傾向にあります。
高いものすべてが高品質とは言い切りませんが、安いなら安いなりの理由が必ずあるし、それは高いものも然りです。
「それでも安くて高品質なものが食べたいの!!!」
と主張するなら自分でつくるのが一番です。
「それがイヤだから外食するんでしょ?!」
と言うなら、安くて低品質なものを食べるか、高くて良質なものを食べるか…
いずれにしても覚悟が必要になってくるわけです。
買い物も下準備も作ることも片付けも肩代わりしてくれるのが外食なんですから、私はある程度の金額を支払っても高くはないと思いますが。
ある程度の金額を払うとお客の感覚も肥えてくるだろうし、飲食店側ものんびりしていられなくなるから、いっそのこと全国の飲食店が一気に値上げしたらいいのに…とすら思います。
とにかく、今回のイベントでわかったこと・再認識した具体的なことは5つ。
完全無化調でも大人10人分のご飯くらいは作れる。
ドレッシングはいらない。
シンプルなスープなら自分好みで味付けできるシステムも一つのアトラクションになる。
今の日本の外食は安すぎる。
どんなお店のどんな料理もありがたくいただこう!
ということだけじゃなく、今回、お友達のカメラマンに撮影をお願いしていたのですが、できたての料理をすぐに撮影するためにそのカメラマンに渡していたんです。
で、カメラマンが「唐揚げでーす」「鰻でーす」「じゃこ炒めでーす」と言いながら料理を持って行ったら、その度に「わーー!!」とか「おいしそう!!」とか歓声が上がっていたんですが、その時のそのカメラマンの顔が本当に嬉しそうだったんですよ。
『あぁ・・・良い景色やなぁ・・・』と思って見ていました。
実際、後日「自分が作っているわけじゃないけど、歓声を聞いて毎回得意げでした」と話してくれました。
もちろん、私が作っているから気持ちよくもあったのですが、もし、そのカメラマンが従業員ならどうだろう?と。
自分が働いているお店の商品に絶対的な自信を持ってお客に提供できたら、そのお店で働いていること自体が本人の生きるモチベーションにもなるし、人生の誇りにもなるんじゃないかと思ったのです。
飲食店に限らず、今の日本にあるすべての業種のお店でそれができているところはどれほどあるだろうと思いを巡らせました。
それは、働く場を提供している側にも、働いている側にも責任があることだと思います。
どちらも欠けてはいけない想いだな、と思いました。
社会は、小さな家庭から作られます。
家庭内で何気なくやっていることの一つ一つが、将来の仕事に対する姿勢にも影響してくるはずです。
日常を当たり前にしない教えは、まだ子どもが小さなうちからできることかもしれないと自分に置き換えてみたりしました。
「お店みたいなことがしたい!」
と軽々しく思った時には考えてもみなかったことがこの1日で山ほど発見できました。
これからの自分の人生に反映できることは本当にたくさんありました。
やってよかったと心底思います。
新しいことにチャレンジするのはなんとも楽しい♪
また気ままにこういうことをやっていこう!