「なぜ日本のお出汁には香りがあるのか?」日本人のカラダの特徴を元に考察してみた。

どんなにお腹がいっぱいの時でも、うどん屋さんやお蕎麦屋さんの前を通るとお出汁のいい香りについホッとするのは、やはり日本人だからこそではないでしょうか。

 

 

 

「素材に火を通してその旨味を引き出した液体」

これを日本では「お出汁」、海外では主に「スープ」「ブイヨン」などと呼ばれます。

 

 

 

日本のお出汁がいろいろな料理の基本となっているように、海外のスープも同様に、様々な料理の基本です。

 

 

 

私は先日、海老の頭と殻でお出汁を引きましたが、

野菜

何でもお出汁・スープにできます。

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ですが、日本のお出汁と海外のスープでは決定的に違うことがあります。

 

 

 

それは『香り』です。

 

 

 

 

海外のスープは何時間も煮出して完成させるものがほとんどです。

 

 

 ステーキのソースやビーフシチューなどによく使われるフォンドボーも、中華料理の定番 鶏がらスープも、長時間コトコト煮出してつくるスープです。

 

 

 

 

それに対して、日本のお出汁は、長くみても20分ほどでできます。

 

昆布と鰹節のお出汁でも、そこに煮干しが入ろうが、干し椎茸が入ろうが、海外のスープの加熱時間と比較するとビックリするくらいあっという間にできあがります。

 

 

 

 

香りは揮発性のものです。

 

 

 

時間が経てば経つほど失われていきます。

 

 

 

だから、日本のお出汁には香りがあるのです。

 

もちろん、海外のスープにも香りが残っているものもあるのでしょうが、日本のお出汁ほどではありません。

 

 

 

 

この、「香り」

香りがすることによって癒されたり、気持ちが落ち着いたり、いろいろな効果がありますが、お出汁の香りの最大の効果は「胃酸分泌」だと思っています。

 

 

 

 

日本人はもともと胃酸の分泌が苦手な民族です。

 

 

外国人と比べると、酸度や量が足りていません。

(だから、近年の生活習慣病をはじめとする様々な病気や疾病の増加は、食の欧米化だけでなく、胃酸の分泌の具合も大いに関係していると思っています。)

 

 

 

胃酸が分泌されていないと、摂れるべき栄養が摂れません。

 

 

たんぱく質

ビタミン

ミネラル

多くの栄養素は、胃酸によって分解されることが多いからです。

 

 

 

どうしても咀嚼回数が少なくなりがちな小麦ものが多い食生活をしている場合は、余計に胃酸は分泌が低下していきやすいのです。

 

 

 

 

 

ただでさえ胃酸を分泌しにくい我々日本人にとって、いかに胃酸を出すか?というのが、健康維持への大前提だと言っても過言ではないのですが、そのためにも香りが残っているお出汁は大いに役に立ちます。

 

 

 

 

 

というのが、胃酸は、香りや音によって分泌されるからです。

 

 

 

 

包丁で野菜を切るトントントンという音

何かが焼けているジュージューという音

煮炊きもののコトコトという音

揚げ物をしているときの音

 

そして、香り。

 

 

 

それによって、胃酸が分泌しはじめ、カラダは食べものを受け入れる準備をするのです。

 

 

 

そう考えてみると、なぜ日本のお出汁は香りがするのかがよくわかります。

 

 

先人たちがそこまで考えてあみ出したものかはわかりませんが、とてもよく考えられた、日本人にぴったりのものなのです。

 

 

 

 

 

そして何より、お母さんが台所でご飯をつくることの大きな意義も見えてきます。

 

 

 

 

インスタント食品

コンビニ弁当

レトルト食品

菓子パン

 

これらの手軽な食事は、ご飯をつくる過程で自然に生まれる香りも音も乏しいもの。

 

 

 

カラダが食べものを受け入れる準備が整わないうちに食べてしまっている可能性があるとも言えます。

 

 

 

 

たった一品でも素材からつくったものであれば、それだけでカラダにとっては優しいごはんになるのです。

 

 

 

 

レトルトなども否定はしません。

 

ですが、例えばそこに一手間加えるのとそうでないのでは、得られる栄養素はわずかであっても違うかもしれません。

 

 

 

 

こういう面でも、手づくりごはんのメリットがわかるかと思います。

 

 

 

 

そして、自分で引いたお出汁の効果の素晴らしいこと!!

 

 

 

お出汁の香りで栄養を吸収するスタンバイができるなら、これ以上 手軽でカラダに負担なくできる胃酸分泌法はありません。

 

 

 

これは、やはり顆粒だしより天然素材で引いたお出汁のほうが断然 香りが高いため、胃酸分泌の効果も高いと思われます。

 

 

 

 

 

あまりお腹が空いていなくても、ごはんの香りでお腹が空いてきたり、「美味しそうだな」と思った経験はありませんか?

 

食欲はないのに、ごはんをつくり始めたらお腹が空いてきたという経験はありませんか?

 

 

 

 

我が家の娘も、夕方頃に「今日はごはんいらない」と言う時があります。

 

おそらく気ままに言っていると思うのですが、そんな ちょっとあまのじゃくなことを言っても、私がごはんをつくってると、

「何つくってるの?」

とか

「お腹が空いてきた」

とか

「早くごはんが食べたい」

とか言いはじめます。

 

 

 

そういえば、先日の『手づくりベーコンの会』でも、参加してくれていたお友達が、

「朝から調子が良くなくてろくにごはんも食べずに来たのに、講座中にずっと漂っていた燻製の香りによってお腹が空いてきた」

と話してくれました。

 

 

 

彼女は私の『オカンのための栄養学講座』も受講してくれているので、食欲が出たことの有り難さも、胃酸がもたらしてくれるカラダへのメリットもよく理解しています。

 

 

嬉しそうに「胃酸が出てきた!」と言うので、「香りのチカラってスゴイよなー!ホンマにスゴイ!!」と2人で言い合っていました。

 

 

 

 

 

 少しでも健康に過ごそうと思うなら、『胃酸』は栄養を消化吸収するための絶対条件。

 

 

胃酸が出ることによって、腸への負担も軽くなり、栄養も吸収しやすくなる。

 

ということは、栄養の合成もスムーズになる。

 

胃酸の強い酸度によって、病原菌がカラダに入りにくくなり、病気にもなりにくい。

 

 

胃もたれや胸やけも、胃酸が出てないからこその症状であることが多いのですが、病院に行くと、なぜか制酸剤を処方される不思議。。。

 

 

 

『腸内環境の改善!』と、ヨーグルトやファスティングに手を出すのも一つですが、まずは胃酸が出ているかどうか、自分のカラダの状態を知ることは大切です。

 

 

特に、野菜の栄養価が低くなっている現代、そして、低胃酸症である私たち日本人にとっては最大の課題だと思います。

 

 

 

 

もし、胃酸が出ていない自覚があるなら、出やすくする工夫は必要です。

 

 

 

まずは、自炊率を上げること。

 

それから、お出汁を自分で引くこと。

 

 

こういうことから見直してみてはいかがでしょうか?

 

 

 

お出汁なんて、香りによって胃酸の分泌をスムーズにしてくれるだけではなく、非常に吸収しやすい状態で栄養が含まれているわけですから、使わない手はありません。

 

 

もし、

「お出汁の引き方がわからない」

「自分で引いても美味しく感じない」

と言うなら、ぜひお出汁の会にお越しください。

 

 

10/28 午前 広島

https://peraichi.com/landing_pages/view/1028hiroshima

 

11/19 午前 新潟

https://peraichi.com/landing_pages/view/1119niigata

 

 

引き続き 申込可能です。

 

 

お待ちしています。