日本の文化「ハレ」「ケ」「モ」の違いについて〜文化継承の責任〜

遅ればせながら…

新年あけましておめでとうございます。

昨年の12月は、あろうことか一度も更新せず、緩すぎなこのブログですが、本年も懲りずにお付き合いいただきますよう、よろしくお願いいたします。

 

 

皆さんはどのようなお正月を迎えられましたか?

 

 

昨年、私は12月の一ヶ月間の間に4回もの「おせち料理講座」を開講し、そのたびにしっかり試食もしていましたので、年末のおせち作りはしない可能性もあると思っておりましたが、やっぱりその時期がくるとカラダが動いてしまうのもので、大晦日の夕方から取りかかるというスロースターターな感じでしたが、なんとか形になり、ホッとした気分でお正月を迎えることができました。

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それもこれも、幼い頃から年末は何日も何時間もかけてていねいに迎春準備をするという、母や祖母たちの姿を見てきたからなのかもしれないと今更ながら感謝の気持ちでいっぱいです。

 

 

 

 

私たちが住むこの日本には、古くから「ハレ」「ケ」「モ」という風習・文化があります。

 

「晴れ姿」「ハレの日」と言うように、おめでたい事やお祝いごと・大切な年中行事などを行う「ハレ(晴れ・霽れ)」

ごく普通の日常の「ケ(褻)」

「喪中」「喪があける」などと言う、お悔やみごと・弔事を表す「モ(喪)」

です。

 

 

特に「慶事」「弔事」とではいろいろなものが違ってきます。

 

たとえば、御祝儀袋・不祝儀袋の中に入れるお札が新札かどうかとか、包み方はどうか?とか。

水引きの結び方や色はさることながら、本数まで違います。

 

 

その御祝儀袋・不祝儀袋を包む袱紗も、慶事と弔事では色はもちろん、包み方も違います。

詳しい包み方はこちら↓

風呂敷も同様です。

 

 

 

そして、着物の帯を締める帯締めの結び方も変わります。

房の整え方はよく知られていますが、結び方までは意外と知られていません。

 

それを証拠に、テレビで着物を着ている方の帯締めを見ると、喪服ではないのに弔事結びになっている場合が多々見られます。

堂々と「創業100年」と書いている呉服屋さんのサイト内の画像も、訪問着なのに弔事結びになっていたり…。

プロでも区別できていないのが現実です。

 

下のYahoo知恵袋の質問を使わせていただくなら、Aが慶事結び、Bが弔事結びです。

 

余談ですが、末廣(お扇子)を挿す位置も間違っていることがたくさんあります。

 

末廣は、左脇の帯揚げと着物の間に挿します。

位置を考えればわかるように、刀(懐剣)の代わりとしているからです。

 

しかし、「末廣 挿し方」と検索すると、間違った位置で紹介しているサイトの多いこと多いこと!

帯揚げは帯の一部ですから、帯揚げと帯の間に何かを挿すこと自体がおかしい。

 

普段着ならまだしも、ハレの日の場合は特に気をつけたほうがいいと思います。

 

 

 

ちょっと話が脱線しましたが、このように、日本には「ハレ」「ケ」「モ」の違いを生活のあらゆる場面で区別する文化が今でも根付いています。

 

これはマナーです。

マナーとは、相手や周りの人の気持ちを大切にすることから生まれます。

 

 

 

私が年に1回のペースで行っている『ケの日ごはん』というイベントは、「お母さんが日常的につくるごはんを思う存分、気軽に楽しく食べて欲しい!」との思いからスタートしました。

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そこで皆さんに召し上がってもらうごはんは、ありきたりで、ごく普通の「お母さんのごはん」

まさに「おうちごはん」です。

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それに対して、お正月に食べるおせち料理は「ハレの日ごはん」です。

 

12/3 京都

12/11 東京

12/15 金沢

12/22 鳥取

先月は、この4地域で「おせち料理講座」を行いました。

それに加えて、facebookでのオンライン講座も募集しました。

 

総勢35人の方から受講いただきました。

 

一昨年・一昨々年の受講者さんも数えると60人ほどになります。

 

一年のうちで一番おめでたいお正月。

その時に欠かせないおせち料理

 

今はお金さえ出せば豪華なおせち料理が手元に届く時代です。

スーパーでもコンビニでもおせち料理は手に入ります。

 

それでも「自分で作ってみたい!」と思う人たちがこんなにもたくさんいることは、今の日本において何よりの宝だと思います。

 

 

 

その一ヶ月前の11月は七五三の季節。

 

私のSNSのタイムラインには、我が子の七五三を祝うお料理たちがたくさん並んでいました。

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これぞ「ハレの日ごはん」と言えるお料理たちです。

 

 

非日常な「ハレ」と、日常な「ケ」と、心を鎮める「モ」。

 

50〜60代でも、「『ハレ』は知っていても『ケ』や『モ』は知らない」と言う人はたくさんいます。

それでも、知らず知らずのうちに古来から伝わるこの文化を引き継ぎ、習慣や風習として生活の中に取り入れているわけです。

 

おこがましくも「文化継承」を仕事における目的の一つとしていますが、我が子の七五三のためにあれこれ動く親がいたり、おせち料理のいろいろを知りたいと講座を受講する人がいたり、お年玉のために…と新札を用意する人がいたり。

 

相手の気持ちを重んじ、 季節を重んじる。

 

以前のこちらの記事(日本と諸外国との自然観の違い〜御火焚祭でのお話で思うこと〜 - やもりなおみの「食べること。暮らすこと。生きること。」)で書いた日本独自の自然観によるものや、武道・華道・書道などの「道」に通ずる精神などが大きく影響していると思わざるを得ません。

 

先人は、なんと豊かな文化を残してくださったのだと感謝しきりです。

 

 

今を生きる私たちにできることは、これらを後世に伝えることだと痛感します。

これは、日本を守り抜くための責任です。

 

きっときっとまだまだできることがあるはず。

 

現状に満足せず、自分のための勉強と捉え、これからも伝え続けていきたい。

 

 

これが、私の新年の誓いです。

 

 

どうぞこの一年もよろしくお願い申し上げます。

 

 

                     やもりなおみ 拝

 

 

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